九州新幹線SIRIUS(シリウス)放送 |
このページでは、九州新幹線と西九州新幹線で使われているSIRIUS放送について記載します。SIRIUSとは、九州新幹線の運行管理システムの名称で、東海道・山陽新幹線の運行管理システム「COMTRAC」と接続されており、東海道・山陽・九州の3つの新幹線が一括して運行状況などが把握できるようになっています。また、かつて新八代で在来線と接続していた関係でJACROSとも接続されており、2011年の全線開業で山陽新幹線の運行管理システムとも接続されるなど、他システムといくつか連携しているのが特徴です。 参考文献:「HITACHI インフラシステム 九州新幹線指令システム SIRIUS」 |
九州新幹線・西九州新幹線では、在来線のJACROSとは異なる独自の放送が使用されています。女声・男声の2種類があり、偶数番線を女声が、奇数番線を男声が担当しますが、先行開業していた新八代~鹿児島中央間では、奇数番線が女声・偶数番線が男声と逆になっています。放送内容のバリエーション等はJACROSに劣りますが、言い回しが丁寧になっている他、接近予告放送と停車中放送には英語放送も導入されおり、西九州新幹線では、通過放送や遅延放送も英語放送が対応しています。放送は博多を除く新鳥栖~鹿児島中央・武雄温泉~長崎間で統一されたものが流れます。また、JR九州初となる発車メロディも採用されており、鉄道の車内チャイムや駅メロディ等を手がける向谷実氏作曲によるメロディが使用されています。在来線と同じく夜間音量があり、基本夜19時から音量が下がり、翌朝7時に通常の音量へと戻ります。(西九州新幹線は夜間音量無し) 各案内放送は11パターン(発車メロディは除きます)を確認しています。詳しい説明については下記をご覧下さい。
列車が到着する前に流れる放送で、SIRIUSの案内放送は、JACROSに比べるとシンプルな構成をしています。列車・駅設備等が全駅で共通になっている為、基本的な放送内容は全駅同様で、駅によって放送内容が変わることはほとんどありません。放送は基本的に列車の発車15分前と9分前の2回流れますが、同じのりばで15分以内に先行列車がある場合、先行列車が発車するまで次発列車の案内放送は流れず、先行列車がホームから出たところで次発列車の案内放送が流れます。その為、発車間隔の短い場合は、1回しか放送が入らないことがあり、2回目が流れても途中で切れて予告放送が割り込む場合があります(下記の音声を参照)。 例としては、久留米17時25分のさくら号は、17時19分につばめ号が先行しているので、案内放送はつばめ号がホームから出た時点から案内放送が始まります。 基本的な放送例:新鳥栖駅 つばめ367号 熊本行き 途中で途切れる例:新鳥栖駅 さくら458号 広島行き ☆接続列車の放送について SIRIUSの放送は、JACROSと同様に終着駅、途中駅での接続列車の放送があります。接続列車の放送は案内放送・予告放送の途中に組み込まれており、九州新幹線においては久留米駅、新鳥栖のみで放送が流れていたのを確認しています。全ての列車では流れず、博多駅や熊本駅で接続する列車がある場合にのみ放送が入ります。接続先の列車の放送は「のぞみ」「ひかり(レールスターとは案内されない)」「みずほ」「さくら」の4列車で、「こだま」の接続案内は無いようです(こだま接続がある列車で確認したところ、流れなかった為)。また、JACROSには無い「接続列車+接続列車の方が先に終着駅に到着する」といった放送があります。(放送は新鳥栖駅や久留米駅のページに多数掲載しておりますのでご覧ください) なお、この放送は全線開業してから2年間ほどは流れていましたが、現在は久留米・新鳥栖も流れなくなっており、他の駅でも流れていないことから、接続列車の放送は一旦取り止めになったものと思われます。 西九州新幹線では、武雄温泉にてリレーかもめとの接続があるので、恒常的に流れています。
列車が到着するおおよそ3~4分前に放送が入ります。放送内容は、予告放送と案内放送が合体したもので、予告放送をした後に列車の号車案内や停車駅が流れます(内容は上の案内放送とほぼ同一)。同じものが2回連続で流れ、英語放送があります。駅によっては放送の入るタイミングが遅いことがあり、場合によっては予告放送の始動が遅く、途中で切られて接近放送が流れることもあります。ホーム上に駅員がいる駅では、接近予告放送が2回流れ終わった後に、駅員が案内を行い、その後接近放送という流れになります。 基本的な放送例:新鳥栖駅 さくら580号 新大阪行き
列車がホームに接近している最中に流れる放送です。ここでは列車の号車案内などは無く、到着列車の号数と行き先のみが流れます。終着駅では、折り返し放送・車内清掃作業に関する放送が流れ、冒頭にある「お待たせ致しました」フレーズは流れません。ホームが無人化している駅では、行先を告げた後に、様々な注意喚起の放送が流れます。 基本的な放送例:新鳥栖駅 さくら422号 博多行き 基本的な放送例:新玉名駅 つばめ311号 熊本行き(無人化後)
列車が到着した際の駅名連呼です。当然在来線のように「くるめ~!」のようなトーンでは無く、全駅落ち着いたトーンで放送されます。かつては乗換え放送もあり、現在のところ熊本駅でのみで確認していましたが、現在は流れなくなっています。ほとんど駅員にかき消されてあまり意味がなっかったので、流さなくなったのかもしれません。 放送は各駅のページをご覧ください。
停車時間が長い列車に対して流れる放送。基本的に発車15分前、9分前、3分前の3回で放送が入りますが、鹿児島中央は列車が到着して1回目の停車中案内放送が流れてから、発車時刻になるまで6分おきに放送が入ります(長時間停車の場合は30分前から6分おき)。また、新鳥栖駅では退避列車でも放送があるのを確認しており、こちらは到着放送が流れた直後に1回だけ放送が入ります。 基本的な放送例:新鳥栖駅 つばめ367号 熊本行き
発車メロディは基本、発車放送が入る前に鳴らします。駅員扱いで、始発駅であれば大体1コーラスは鳴り、2コーラス目に入ることもあります。しかし途中駅だと、余韻切り、途中切りが多くなります。鳴るかどうかは完全に駅員次第で、場合によっては退避列車、始発列車でさえフルコーラス鳴らないこともあります。また、メロディ中に駅員放送が被ることも多いです。 曲は、2004年の部分開業時では「風は南から」が使用され、2011年の全線開業時から新メロディに変更となりました。また、熊本駅では民謡「おてもやん」、鹿児島中央駅では「おはら節」がご当地メロディとして流れます。 メロディは各駅のページをご覧ください。
ホームが無人化された駅でのみ流れる放送で、九州新幹線の場合発車メロディが鳴り終わる辺りで自動的に放送が入ります。西九州新幹線では、遅れがなければ発車メロディが鳴り終わった後に、続いて流れますが、遅延時はメロディに被ります。安全柵に関する放送等、駅員がかつて行っていた内容となっています。 なお、2016年に新玉名が無人化された当初は、現在と放送内容は同じですが、喋るトーンが異なっていました。その時の音声をTKK9000様よりご提供頂きましたので、紹介致します。 基本的な放送例:新玉名駅 発車予告放送(女声) 基本的な放送例:新玉名駅 発車予告放送(男声) 基本的な放送例:新玉名駅 発車予告放送(女声・無人化当初の音声。TKK9000様提供) 基本的な放送例:新玉名駅 発車予告放送(男声・無人化当初の音声。TKK9000様提供)
列車が発車することを促す放送で、次駅の停車駅も最後に放送されます。SIRIUS放送では一番録りづらく、高確率で駅員放送が被ります。次駅の停車駅は駅員放送にかき消されることが多いです。なおホームの無人化された駅では、被ることなく簡単に収録できるようになっています。 山陽新幹線などの発車放送は、啓発放送などが加わり結構長いですが、九州新幹線では安全柵がある為かかなりシンプル。「ドアが閉まります」のような放送がありません。また他の新幹線とは異なり、大体この放送が流れている最中に客扱終了合図が鳴り、ドアが閉まり出します。無人化された駅については、この放送が鳴りだす時には既にホームドアが閉まっています。 基本的な放送例:久留米駅 つばめ351号 熊本行き
通過列車が接近する場合に流れます。通過列車がホームに進入する2分前辺りから流れ出し、4回程度流れます。また、1回1回に30~40秒ほど間があります。西九州新幹線では、英語放送が流れるようになっています。 基本的な放送例:12番のりば通過放送 基本的な放送例:12番のりば通過放送(西九州新幹線)
在来線と同様、遅延放送があります。遅延放送は、案内放送の後に流れ、ホームの電光掲示板には、「遅れ○○分」と表示されます。在来線同様、1分単位で放送されますが、新幹線はダイヤが非常に正確なので、聞く機会は在来線に比べると少ないです。
写真は筑後船小屋駅で撮影したものです。初めは1時間以上遅れていたらしく「大幅遅れ」と出ており、列車到着数分前には遅れが縮まったのか、「55分」と表示されていました。恐らく60分以上遅れる場合は「大幅遅れ」となるようです。 放送は、案内放送の最後にだけ流れ、遅延放送単体では流れないようです。また、西九州新幹線では英語放送も流れます。 筑後船小屋駅 12番のりば案内放送+遅延放送・大幅遅れ(さくら561号 鹿児島中央行き) 筑後船小屋駅 12番のりば案内放送+遅延放送・遅れ約55分(さくら561号 鹿児島中央行き) 久留米駅 11番のりば案内放送+遅延放送・遅れ約6分(つばめ 博多行き) 久留米駅 11番のりば遅延放送・遅れ約5分(つばめ 博多行き)※案内放送部分はカットしております。 新鳥栖駅 11番のりば遅延放送・遅れ約12分(つばめ 博多行き)※案内放送部分はカットしております。 新鳥栖駅 11番のりば遅延放送・遅れ約11分(つばめ 博多行き)※案内放送部分はカットしております。 嬉野温泉駅 12番のりば遅延放送・遅れ約9分(かもめ85号 長崎行き)※西九州新幹線・英語放送あり
のりばが変更になった場合に流れる放送で、現在のところ新鳥栖駅と鹿児島中央駅で確認。のりばが変更になるには、ホームが複数ある駅に限られる為、鹿児島中央、新水俣、熊本、筑後船小屋、新鳥栖だけでしか聞けない放送でしょう。西九州新幹線ではまだ未確認です。
写真は新鳥栖駅で撮影したものです。12番のりば発着のつばめ354号がのりば変更となっているので、12番のりば側で表示が流れています。放送は、遅延放送と異なり単独で流れ、案内放送などにある冒頭のチャイムもありません。なお放送のタイミングは不明ですが、1回目を聞いてから5分間隔くらいで流れていたと記憶しています。 鹿児島中央駅 のりば変更放送(つばめ314号 新水俣行き)※男声放送 鹿児島中央駅 のりば変更放送(つばめ314号 新水俣行き) 鹿児島中央駅 のりば変更放送(つばめ350号 博多行き) 新鳥栖駅 のりば変更放送(つばめ354号 博多行き)
列車が運休になった場合に流れる放送。九州新幹線の場合、大抵大雨などの悪天候の影響を受けて運休することが多いです。放送は単独で流れ、冒頭のチャイムがありません。放送は5分おきに入り、該当列車の発車時刻を過ぎると流れなくなります。西九州新幹線では未確認です。
収録した14時26分発のさくらでは、初めてに放送を確認した13時47分(これ以前から放送が流れていたかは不明)から、52分、57分、14時2分、7分、12分、17分、22分の計8回放送が流れました(途中、他の放送などで若干のズレもあり)。また、運休列車が続けてある場合は、2列車連続で放送されます。 貴重なリレーつばめ号の運休放送を提供して頂いたので、併せてご紹介します。 久留米駅 11番のりば運休放送(さくら570号 新大阪行き) 久留米駅 12番のりば運休放送(つばめ341号 熊本行き+さくら567号 鹿児島中央行き) 新八代駅 11番のりば運休放送(リレーつばめ46号 博多行き)※ ※音声はプレミアムドリーム様よりご提供頂いた音声です。
列車の行先が変更になった際に流れる放送。行先変更放送後に、そのまま案内放送の号車案内が続いて流れますが、単体で流れる場合もあります。西九州新幹線では未確認です。
久留米駅 行先変更放送(みずほ614号新大阪行き→博多行きに変更) ※案内放送が続いて流れるバージョンは、久留米駅のページをご覧ください。 |