JR九州 各種放送

ここではJR九州で使用される接近放送(一部他の放送も含む)を紹介します。詳しい案内をする詳細型放送は主要駅でしか導入されておらず、大半の駅は、列車が接近する際の接近放送のみとなります。JR九州管内で使用される接近放送は様々なタイプが存在し、声・内容も違います。

ここで記載している放送名は当サイトが付けたもので、正式名称ではありませんのでご注意下さい。


・九州カンノ型A

こちらはのりばを言わない接近放送。接近・通過共に同じで、「列車が参ります」と放送します。九州内ではメジャーな放送で、九州各地の様々な路線で使用されています。また、ベルでなくメロディが流れる駅もあります。

ベルはカラカラベル、標準ベル、メロディの3種類があります。カラカラベルの長さは、駅によって異なっています。基本的に2回流れますが、例外で3回流れる駅もあります。近年では後継放送に置き換えられたりしていますが、稀に「筑後大石」や「郡元」など新規に導入されることがあります。


カラカラベル 標準ベルVer. メロディVer.
接近放送 男声

接近放送 女声
接近放送 男声

接近放送 女声
接近放送+メロディ 男声

接近放送+メロディ 女声


・九州カンノ型B

カンノ型Aタイプに変わって普及した後継放送。放送内容・男声は上記のカンノ型Aと同じですが、女声が「JACROS」と同じになっている点が異なります。2011年初頭までに開業した駅、または放送を更新した駅などは、この放送が多いです。放送は基本2回流れますが、例外で3回流れる駅もあります。また、日向市駅では「ひょっとこ踊り」が接近メロディとして流れ、メロディの後に放送が2回連続という変わった流れ方をします。

ちなみに、ベルが2回(稀に3回もあり)流れて放送が入るタイプがあり、こちらは、「豊肥本線 Ver.」と呼んでいます。その名の通り、豊肥本線でよく耳にしますが、豊肥本線以外の駅でもあります。さらに久大本線・湯平駅では、ベルが短めの珍しいタイプがありますが、基本的にベルの長さは全て同じです。なお、稀に上り・下りどちらも男声放送の駅がありますが、これらは全て九州カンノ型Bとします。


標準放送 豊肥本線Ver. ひょっとこ踊り
接近放送 男声

接近放送 女声
接近放送 男声

接近放送 女声
日向市駅のページへ


・九州カンノ型C

「JACROS」と同じ声優による接近放送です。2011年に開業した「筑後船小屋駅」「富合」駅で導入されて以降、九州カンノ型Bに変わって、九州全域に急速に普及しました。2019年からは、点字ブロックと放送されるタイプが導入、普及しており、こちらは九州カンノ型C(点字ブロックver.」と分類します。但し、この点字ブロックVer.は、全て録り直された新規の放送となっています。

ベルの長さは全く統一されておらず、短いもの、2回鳴るものなど駅によって異なります。また、由布院駅では向谷実氏作曲のメロディが鳴り、発車メロディが導入されている為、このタイプでは初めての発車放送があります。発車放送は現在、由布院でのみ使用されています。また、由布院駅は現在点字ブロックVer.に更新され、九州カンノ型接近放送では初となる英語放送が導入されています。

谷山駅には、点字ブロックver.では初の接近メロディ(吉田拓郎氏作曲の「夏休み」)が導入されています。

標準放送 点字ブロックVer. Elegant Trip  夏休み
接近放送 男声

接近放送 女声
接近放送 男声

接近放送 女声
由布院駅のページへ  谷山駅のページへ

☆追記

標準ベルのものは、筑後船小屋や富合に新規導入されていますが、実はこの放送の前身と言えるものが、日豊本線の「豊前松江駅」に導入されていましたことがあります(現在はカンノ型Bに置き換え)。豊前松江の放送は今のものと、微妙にイントネーションやピッチが異なってました。音声は豊前松江駅のページに掲載しておりますので、ぜひお聞きください。



・九州カンノ型/派生

九州カンノ型A~Cに当該しないカンノ型の接近放送で、声優は松本・田尻両氏によるタイプ。放送内容やトーンは様々で、ベルもカラカラだったり標準ベルだったりと駅によって異なっています。
分類上「九州カンノ型・〇〇Ver.」という形で掲載しています。放送は各駅ページをご覧ください。


九州カンノ型・荒木Ver. 九州カンノ型・筑前前原Ver. 九州カンノ型・いこいの村Ver.
九州カンノ型・植木Ver. 九州カンノ型・中半田Ver. 九州カンノ型・宮崎空港Ver.


・九州カンノ型D(現在は消滅)


九州カンノ型シリーズの中でも古い放送。ベルはカラカベルのみです。以前は香椎線の「奈多駅」、鹿児島本線の「荒木駅」などにありましたが、現在は全て他の放送に置き換えられています。確認しているだけでも、鹿児島本線の「渡瀬駅」だけに残っていましたが、渡瀬もカンノ型Cに置き換えられた為、このタイプの放送は消滅したと思われます。

カラカラベル
接近放送 男声

接近放送 女声

かつての使用駅
奈多(香椎線)、渡瀬、銀水(鹿児島本線) など


・九州遠隔型放送(Aタイプ、Bタイプ、Cタイプ)


現在のところ筑肥線、唐津線、豊肥本線、久大本線に導入されている簡易的な案内(予告)放送です。豊肥本線(熊本側)に導入されているものをA、筑肥線と唐津線に導入されているものをB、豊肥本線(大分側)、久大本線に導入されているものをCとして、下記にてそれぞれ解説します。なお、いづれも遠隔放送されている模様で(カンノ製作所の公式サイトで紹介している遠隔自動放送装置と思われる)、放送が流れる最中は、ノイズが必ず入ります。また、九州カンノ型などが導入されている駅では、これとは別に九州カンノ型の接近放送が流れます。

Aタイプ
豊肥本線の熊本側の駅で確認しているタイプ。放送は滝水駅まで確認していますが、隣の豊後荻から大分支社になる為、滝水駅までの可能性があります。但し滝水以降は調査していないので、定かではありません。放送はJACROS女声のみで、放送内容はJACROS詳細型の予告放送と似ています。のりば、種別は放送せず、時刻と行き先だけ放送されます。また、予告放送以外にも、行き先変更放送(運休放送)もあります。運転停車の列車が到着する場合は「この列車にはご乗車できません」と言うフレーズも確認しています。

予告放送(肥後大津行き)

次発放送(鳥栖行き)

予告放送(立野行き)

行き先変更放送(宮地行き→肥後大津までの運転)
Bタイプ(現在は消滅)
Bタイプは、筑肥線と唐津線(唐津~小城間)に導入されていたタイプ。現在は、筑肥線、唐津線共に下記のCタイプとなったため、現在は消滅しています。放送内容はAタイプと似ていますが、時刻、行先に加えて、のりばと種別が放送されるので、Aタイプの改良版と言えます。また、予告放送以外にも通過列車がある場合、通過放送も流れます。ちなみに、福岡空港行きや筑前前原行きなど、筑肥線(地下鉄線)独自の行き先の放送が聞けるのも、この放送のみです。また、遅延放送があり、JACROSとほぼ同じ文面で放送され、私が収録した際は列車到着まで3回程度流れていました。確認してませんが、恐らく遅延放送や運休放送などもあるかもしれませんね。

予告放送(普通 福岡空港行き)

予告放送(普通 筑前前原行き)

予告放送(快速 西唐津行き)

予告放送(唐津線・佐賀行き)

予告放送(筑前前原止まり・簡易放送)

通過放送

※快速列車が通過する駅で聞けます。

遅延放送(福岡空港行き・2分遅れ)

遅延放送(福岡空港行き・5分遅れ)
Cタイプ


Cタイプは2012年に登場した比較的新しい放送で、豊肥本線(大分~豊後竹田)と久大本線、日田彦山線、指宿枕崎線(2015年2月頃導入)、筑肥線、唐津線(2016年春頃導入)、香椎線(2017年2月頃導入)に導入されています。従来のA、Bタイプとは全く異なっており、声、放送内容も一新されています。放送内容は予告放送では無く、次発放送風になっており、停車時間が長い列車では、停車中放送も流れるのが特徴。折り返し列車の場合は折り返し放送があります。他には行先変更放送も確認しており、次発放送の後に続いて流れます。

なお、自動放送は合成音声となっている模様で、特急の場合は列車名と号数も放送されたり、臨時列車では普段運転されない行先(竹中行きや恵良行きなど)も放送される為、放送のバリエーションが豊富なのも特徴。また遅れや運休の際は、どこで何が理由で遅れているかまで放送されたり、保守工事に伴う運休案内、ICカードの利用エリアに関する放送など、合成音声の利点を活かしてJACROSよりも詳細な放送が可能となっています。その反面近年導入された割にはノイズは全く改善されておらず、音量が小さい駅だとノイズでかなり聞き取りにくい場合があるのが惜しいです。なおノイズはフェードインするようにして流れ出す駅があります。

指宿枕崎線の放送は、収録当時10分程度の遅れにより遅延放送を収録できました。放送は「○○駅で、○分遅れています」と、「○○駅を出発し、○分遅れて運転しています」の2パターンあります。遅れの放送は交換駅を基準にしているものと思われます。


久大本線

豊肥本線
次発放送(特急九州横断特急 豊後竹田行き)

次発放送(普通 亀川行き)

次発放送(普通 大分行き)

次発放送(普通 犬飼行き)

次発放送(普通 竹中行き)※臨時列車

次発放送(普通 中判田行き)

停車中放送(普通 豊後竹田行き)

次発放送+行先変更放送(普通 宮地行き)

次発放送(普通 豊後森行き)

次発放送(普通 久留米行き)


停車中案内放送(普通 恵良行き)※臨時列車
日田彦山線 次発放送(普通 香春行き)

次発放送(普通 彦山行き)

次発放送(普通 石原町行き)
※「まつりみなみ」の臨時列車

次発放送(普通 城野行き)
※「まつりみなみ」の臨時列車

折り返し放送(快速 新飯塚行き)

停車中案内放送(普通 田川伊田行き)

停車中放送(日田彦山線直通・普通 小倉行き)

終着列車放送(田川後藤寺駅で収録)
指宿枕崎線 次発放送(特急指宿のたまて箱 鹿児島中央行き)

次発放送(快速なのはな 山川行き)

次発放送(普通 枕崎行き)

次発放送(普通 西頴娃行き)

次発放送(普通 指宿行き)※南鹿児島駅を出発し、5分遅れ

次発放送(普通 喜入行き)※南鹿児島駅で、約5分遅れ

次発放送(普通 慈眼寺行き)

次発放送(普通 五位野行き)※南鹿児島駅を出発し、約5分遅れ

次発放送(普通 鹿児島行き)※五位野駅を出発し、約7分遅れ

折り返し放送(快速なのはな 鹿児島中央行き)
筑肥線

唐津線
‐準備中‐
香椎線 ‐準備中‐


・九州東邦型

こちらは「カンノ製作所」ではなく、信号や踏切など多数の鉄道関連製品を扱う「東邦電機工業」製とされる接近放送。主に筑豊・筑後地区の日田彦山線、久大本線で聞くことのできます。ベルが特殊で、ジェットコースターの発進時のベルに似てます。放送文面上、上りが男声、下りは女声で固定されています。なお、この放送が流れるスピーカーは、なぜかUNI-PEXラッパが多いです。ベルの長さは駅によって違います。近年は他の放送に置き換えられて減少傾向にあります。

接近放送 男声

接近放送 女声

放送使用駅
<日田彦山線> 田川伊田、田川後藤寺

<久大本線> 筑後吉井、うきは

<鹿児島本線> 川内


・九州簡易型

「列車が近づきます」が基本の、かなり簡易的な内容の放送で、現在は小森江を最後に全て消滅しています。声は女声のみが大半ですが、声やトーン、放送内容は様々です。また、船小屋駅と吉野駅は男声放送がありました。カラカラベルやサイレンのようなベル、メロディとバリエーションが多いのも特徴です。さらに豊肥本線の「いこいの村駅」では標準ベルで女声の「JACROS」と同じ声のものまであります。

当サイトでは、カラカラベルタイプがA、サイレンベルがB、メロディがC、標準ベルがDと分類しています。三角線の石打ダム駅では、「埴生の宿」と一緒に放送が流れていました。また、久大本「古国府駅では、「列車が入ります」と言う珍しいタイプがありました(現在は他の放送に置き換え)。

カラカラベル(A) サイレンベル(B) メロディ(C) 標準ベル(D)
接近放送 女声 接近放送 女声 接近放送 男声

接近放送 女声
接近放送
(いこいの村で確認)

過去の放送使用駅
カラカラベル:小森江 吉富 日向長井

サイレンベル:市棚 北川 北延岡、その他宮崎地区など

メロディ:吉野と船小屋

標準ベル:いこいの村

埴生の宿:石打ダム


・接近ベル/サイレンベル

接近放送が無く、ベルのみが鳴る場合です。大半がカラカラベルですが、駅によって音が異なっています。また日豊本線の宮崎~国分ではサイレンベルだけが鳴る駅があり、日豊本線の竜ヶ水や長崎本線の肥前鹿島では甲高いベルが存在しています。また長崎本線の肥前山口から肥前大浦までは、標準のベルだけ鳴ったりしています。

現在は、カラカラベルもサイレンベルも接近放送に置き換えられ。消滅寸前にあります。

カラカラベル(佐世保線・三間坂駅の例)

サイレンベル(日豊本線・餅原駅の例)


・踏切音

鹿児島本線や三角線、日豊本線の一部で聞ける接近音です。よく聞く踏切の音が鳴ります。放送は無く、列車が接近しているのを知らせています。

なお、踏切音とは駅に設置されたスピーカーから鳴るものを指し、構内踏切がある場合は別途記載しています。また、一部駅では音声を省略しておりますのでご了承下さい。

主な放送使用駅
鹿児島本線、日豊本線、三角線 など

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